保養とは

福島第1原発事故により、福島県を中心に放射能汚染が広まりました。現在も除染作業は行われていますが、線量の高い地域や局地的なホットスポットが今もなお存在するため、お住まいの皆さんの不安はなくなっていません。「子どもたちを被ばくさせたくない」という思いを抱くお父さん・お母さんは、週末になると子どもたちを連れて線量の低い地域へ出かけたり、できるだけ遠い産地の食材を買って毎日の食事を作ったり、子どもたちを守る暮らしを続けています。そんなみなさんに寄り添い支えようと、全国各地のNPOや民間ボランティアが夏休み等の期間にそれぞれの地へ招く活動を行っています。それが保養です。
1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、29年たった今も保養が行われています。ウクライナやベラルーシで、多くの子どもたちが線量の低い地域で2~3週間過ごしています。
日本においても同様に、国民の健康を守るため、国が積極的に保養に力を入れる必要があると思われますが、安心・安全・復興の名の下、福島へ帰ることばかりが推し進められており、残念ながら保養に積極的とは言えません。NPOや民間ボランティアが行う今の状況は、今後しばらく続くと思われます。
保養では、心と体を少しでも元気にしようと、様々な取り組みを行いますが、特別なイベントを行うわけではなく、参加者と主催者やボランティアが一緒に何気ない当たり前の日常を過ごすことを大切にしています。
・線量の低い地域で過ごし、体内に溜まった放射能を排出する。
・土をいじったり、川や海に入ったり、放射能汚染を気にすることなく思いっきり遊ぶ。
・安心安全な食事をおいしく食べる。
・一緒に考え、より良い保養にする。 etc.

福島第1原発の廃炉作業は今もこれからも続き、放射能漏れなどの事故も起きています。除染作業もまだまだ続いています。福島をはじめとする線量の高い地域にお住まいのみなさんにとって、保養に参加すること、そして保養を通じてたくさんの支援者とつながることは、日々暮らすこと、さらには明日へと向かうチカラの1つになっています。
また、自主避難者に対する住宅支援が2017年3月末で打ち切られ、自力で避難を続けるか、福島に戻るかの選択を迫られます。放射能を気にしつつも福島で暮らすことを選ぶみなさんにとって、保養は子どもたちを被ばくから守る最後の砦として、その果たす役割はますます重要になっていきます。